2006年10月12日

平易文契約書プロジェクト

専門用語と独特の言い回しで読みづらくわかり難い不動産の売買契約をわかりやすい平易文で書いたらどうなるか、というプロジェクトです。
 
今日はその第一稿を掲載します。
徐々にブラッシュアップして最終的にホームページ上でコンテンツとして公開します。
 
 

 (売買の目的物および売買代金)
第1条 売主は、不動産物件○○○○○(以下「本物件」という。)を売買金額○○○○○○円で買主に売渡すことにしました。買主もこれを買受けることにしました。そこで約束事を契約書という書類に残して、お互いにそれを守ることにしました。

 (手付)
第2条 買主は、売主にこの契約の証拠として、この契約が結ばれたときに○○○円(以下「手付金」という。)を売主に預けます。
  2 このお金は、残代金を支払うときに、そのまま売買代金の一部として売主に渡します。

 (測量図の引渡しおよび境界の明示)
第3条 売主は、責任をもって、その費用を全額負担して、本物件について○○測量図を、本物件の引渡しのときまでに、買主に提出しなければなりません。
  2 売主は、買主に本物件の引渡しのときまでに、この測量図に基づく隣の土地との境界を、杭や表示プレートなど一般的に境界を示す方法を使って、現地で誰にでもはっきりとわかるようにしなければなりません。

 (地積更正登記)
第4条 もしも、第3条で売主が提出した測量図の面積と、現在登記簿に記載されている面積とが違っていても、売主は登記簿上の面積を訂正するための登記(地積更正登記)をする責任まではありません。

 (売買代金の支払時期およびその方法)
第5条 買主は、売主に売買代金を○○年○○月○○日までに支払います。

 (売買代金の清算)
第6条 もしも、実測清算を行うことが決まっている場合で、土地については、実測の面積と契約書に記載の面積が異なる場合には、その異なる面積に事前に決めた単価(1uあたり○○円)を掛けた額を残代金を支払う時に清算します。
  2 もしも、実測清算を行うことが決まっている場合であっても、建物については、実測の面積と契約書に記載の面積が異なる場合でも、売買代金の清算は行いません。

 (所有権移転の時期)
第7条 本物件を売ったり人に貸したりする所有者の権利(所有権)は、買主が売買代金の全額を支払って、売主がこれを受け取ったときに、売主から買主に移ります。

 (引渡し)
第8条 売主は、売買代金の全額を残らず受け取ったときに、本物件を買主に実際に明け渡します。

 (所有権移転登記の申請)
第9条 売主は、売買代金の全額を残らず受け取ったと同時に、買主か、あるいは買主が指定する人の名義にするために、本物件の所有権の移転登記の申請の手続きをしなければなりません。
  2 所有権の移転登記の申請の手続きにかかる費用は、買主が負担します。ただし、売渡証書という書類が必要な場合は、これを作成するのに必要な費用は売主が負担します。

 (付帯設備の引渡し)
第10条 売主は、別紙の「付帯設備及び物件状況確認書」のうち「有」と記したものを、本物件引渡しと同時に買主に引渡します。
  2 この付帯設備については、買主が引渡し前に知ることができなかった不具合があとで見つかっても、売主はその不具合について買主から責任を問われることはありません。

 (負担の消除)
第11条 売主は、本物件の所有者としてのすべての権利を買主に渡す時までに、抵当権等の担保権や賃借権等の用益権などを含めて、とにかく買主の完全な所有者としての権利を邪魔するすべての面倒ごとを責任をもって取り除きます。

 (印紙代の負担)
第12条 この契約書に貼る収入印紙は、売主・買主が平等に負担することにします。

 (公租・公課の負担)
第13条 本物件に対して課される税金や公共の負担金は、下記のスタートの日付から引渡日の前日までの分を売主が、引渡日以降の分を買主が、それぞれ負担します。
  2 税金や公共の負担金を計算するためのスタートの日付は○○月○○日とします。
  3 税金や公共の負担金の清算は、残代金を全額支払う時に一緒に行います。

 (収益の帰属・負担金の分担)
第14条 もし、本物件から生じる収益や各種負担金が発生した場合、その分担については、前条の第1項および第3項と同じルールで売主と買主が分担します。

 (手付解除)
第15条 売主は、預かっている手付金の倍額を買主に支払い、また買主は、売主に支払い済の手付金を放棄することで、必要とあればこの契約を解除することができます。
  2 ただし、すでに相手方がこの契約で決めたことを実行に移したとき、または○○年○○月○○日を経過したときにはこの解除はできません。

 (引渡前の滅失・毀損)
第16条 本物件の引渡しの前に、天災など売主や買主どちらの責任でもない理由で本物件が無くなってしまったときは、買主は、この契約を解除することができます。
  2 上記のような理由で本物件が壊れたり減ったりしたときは、売主は、本物件を修復して買主に引渡さなければなりません。このとき、売主の誠実な修復行為によって引渡しが当初の引渡し予定日を超えたとしても、買主は、売主に対して、その引渡しの延期について文句を言うことはできません。
  3 売主は、物件が壊れた場合の修復がとても困難なとき、または費用がかかりすぎるときは、この契約を解除することができますし、買主は、本物件の壊れ方が酷すぎて契約の目的が達せられないときは、この契約を解除することができます。
  4 これらの事情でこの契約が解除されたときには、売主は、預かっているお金をすべて利息をつけずにすぐに買主に返還しなければなりません。

 (契約違反による解除)
第17条 売主または買主がこの契約で決めたことを実行しないとき、その相手は、自分は約束ごとを守る準備をすべて終えた上で、しかも、十分な期間を与えて催促した上でなら、この契約を解除することができます。
  2 その契約の解除に伴う損害賠償は、実際に損害が発生しなくても、または実際の損害の額に足りなくても、一律○○○○万円とします。
  3 違約金の支払いは、次のとおり、すぐに行います。
@売主の契約違反で買主が解除したときは、売主は、すでに預かっているお金に違約金の分を足して買主に支払います。
A買主の契約違反で売主が解除したときは、売主は、すでに預かっているお金から違約金の分を差し引いた残額をすぐに利息をつけずに買主に返します。このときに、違約金の額がすでに預かっているお金だけで足りないときは、買主は、売主にその差額を支払います。
  4 買主が本物件の所有権の移転登記をしてもらっていたら、違約金の精算をしたあとに、その登記の抹消登記手続きをしなければなりません。あるいは本物件の明け渡しを受けているときは、違約金の精算をするのと引換えに、本物件の返還をしなければなりません。

 (融資利用の場合)
第18条 買主は、この契約を結んだ後すぐに、○○銀行に対する○○○○円の融資のために必要な申込手続きをしなければなりません。
  2 ○○年○○月○○日までに、この融資の全部か一部でも承認されなかった場合、または、金融機関の審査の結論がこの日に間に合わなかった場合には、本売買契約は自動的に解除となります。
  3 それによってこの契約が解除された場合、売主は、預かっているお金を利息をつけずに、すぐに買主に返さなければなりません。また同時に、本物件の売買を仲介した不動産業者も受け取った報酬をそれぞれ売主・買主に利息をつけずに返さなければなりません。
  4 買主が自分でローンの申し込み事務をする場合、買主は、融資に必要な書類を○○年○○月○○日までに金融機関等に提出しなければなりません。買主が、必要な手続きをせず提出期限が経過し、売主が必要な請求をしたあと、○○年○○月○○日が過ぎてしまった場合、あるいは、わざとウソの証明書等を提出したせいで融資の全部か一部でも承認を得られなかった場合には、第2項の規定は適用されません。

 (瑕疵担保責任)
第19条 買主は、売主が知らなかった不具合について責任を負う場合、本物件に実際に知らなかった不具合があって、この契約をした目的が達せられないときは契約の解除ができ、契約の解除まではしない場合でもその不具合に対しての損害賠償の請求を、売主に対してすることができます。
  2 契約の解除をした場合でも、その上買主に損害がある場合には、買主は売主に対し、損害賠償の請求をすることができます。 
  3 建物については、買主は、売主に対して、損害賠償に代わりに、または損害賠償ともに修補の請求もすることができます。
  4 この契約の解除または請求は、本物件の引渡後、○○日の期間を経過したあとではできません。

 (諸規約の承継)
第20条 売主は、買主に対して、環境の維持や管理の必要上決められた規約などに基づく売主の権利や義務を承継させることができ、買主はこれを承継しなければなりません。

 (協議事項)
第21条 この契約に決めていないこと、またはこの契約の条項で解釈の上ではっきりしないことについては、民法やその他の関係する法規と不動産取引の一般的な取引方法に従って、売主および買主が、それぞれ誠意をもって協議して、決めることにします。

 (訴訟管轄)
第22条 この契約に関して訴訟する場合は、本物件の所在地の管轄裁判所を訴訟の管轄の裁判所とします。

 (特約条項)
第23条 以上の条項より優先される特別な約束事は以下の通りです。


不動産情報ポータル:ドリームゲート
posted by h-ukai at 17:43 | Comment(2) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
佐賀の方でも実際わかりやすい言い回しで重要事項説明書と契約書を作成している会社があります。
これって・・・・・どう?なんですかぁ?
いま・・ふと考えてしまいましたが・・・
協会の方で・・・問題になる事は?ないんでしょうかね?

変更できるなら・・・
賃貸の重説と契約書を平易文に・・・変更してほしい・・・

Posted by TOM waiko at 2006年10月19日 21:49
TOMさんこんにちわ。そうですね。平易文と一般的な契約書の使われる言葉の違いは、ひとつの言葉のカバーする範囲がまるで違うということでしょう。
瑕疵担保についても、故障のような物的なものから、占有などの民法上のものまで、不具合という言葉では表現しきれない大きな範囲を扱っています。
従って、すべてを平易文で書いた契約書や重要事項説明書は非常に長文にならざるを得ないですね。
今回は実用は意識せず、主な具体例を使う方法で文章を縮めています。このままでは契約には使えないと思います。
Posted by h-ukai at 2006年11月13日 18:34
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